フィットネストレーナー&ライター Chiyomi執筆
50代男性に筋トレがおすすめの理由と筋トレ法をフィットネスジムで働くトレーナーが解説します。
50代男性に筋トレがおすすめな6つの理由
基礎代謝を上げ中年太りを予防
筋トレは、筋肉量を増やして中年太りを予防できる効果があります。
加齢による筋肉の減少は50代から拍車がかかり、年の1.0~2.0パーセントの割合で減り続けます。
参考『筋トレと栄養の科学』石川 三知著
その結果20歳の時の筋肉量を100とすると、50歳になると80、80歳では50までに減少します。つまり80歳になると、20歳の時の半分の筋肉しかなくなります。
筋肉の減少は中年太りが最大の原因です。
基礎筋肉は基礎代謝の20~30パーセントを占めるので、筋肉が減ると当然基礎代謝もダウンします。
昔よりも少食になのに体重がなかなか減らない。
それどころか逆に体重が増えるのは、筋肉が減って消費カロリーがダウンしていることが原因です。
やる気ホルモンが高まる

筋トレにより『テストステロン』という男性ホルモンが分泌されると、やる気や仕事の意欲が向上し性欲も高まってきます。
一般的に女性よりも男性の方が筋肉が付きやすいのは、男性の方がテストステロンの分泌量が多いからです。
このテストステロンは別名『やる気ホルモン』と呼ばれています。
男性も40代を過ぎるとテストステロンの減少し、疲労感が抜けなくなる、軽い鬱状態や性機能の低下現象が起きます。
これは男性更年期と言われますが、多くはテストステロン(男性ホルモン)の減少が原因です。
筋トレには、テストステロンの分泌を促進させる効果があります。
よって会社経営者や実業家には筋トレに励む人が多く、仕事の意欲を上げ業績を伸ばしています。
成長ホルモンで骨が強くなる

筋トレは筋肉を強化するだけではなく、『成長ホルモン』の分泌が増やし骨をさらに強くします。
骨を強くするには、カルシウムやマグネシウムなどのミネラル成分の摂取が有効です。
ミネラルをとれば問題ないのでは?と思いがちですが、摂ったカルシウムやマグネシウムは、何もしないと骨にスムーズに吸収されません。
筋トレで骨に負担をかけることで、成長ホルモンが分泌されてカルシウムが骨に吸収されやすくなります。
脂肪が燃焼しやすくなり、成人病を予防
筋トレをすると脂肪が燃焼しやすくなり、成人病を予防できます。
筋肉から『アイリシン』というホルモンの分泌がされます。
アイリシンは、贅肉である体脂肪をエネルギー産生機能を持つ『褐色脂肪』に変えてくれます。
この褐色脂肪が活性化して増えると、体脂肪がグングン燃焼します。
自信が生まれてポジティブになる

体型が変わると自分に自信が出てきてポジティブ思考回路になります。
努力すれば努力するほど面白いほど体の筋肉が肥大して、自分に自信がでます。
特に男性の場合は、心に余裕が出てくる人が多いです。
身体の筋肉がついてくると、外見だけではなく内面も変わってきます。
筋トレは努力を裏切らないので成果が出やすい自己投資でもあります。
中年から体を鍛える男性は特にモテる
筋トレを成功させた男性の多くは、周囲の見る目が変わった経験をしています。
女性だけでなく男性からも尊敬と憧れの対象になります。
ストイックな体と精神に共感し憧れる人は、世代を問わず増えています。
一般的に50歳で体を鍛えている男性はモテます。
いままで加齢臭の漂う太った冴えないおじさんから、爽やかでダンディーな大人の男性という評価に変わります。
若い男性には無い人生経験と包容力を持ちながら身体は若い50代の男性が、モテないハズがありません。
実際に私が働くジムでも体を鍛えている50代の男性は、女性から大人気です。
50代男性が自宅で簡単にできる筋トレベスト3
ジムに行けない50代の男性が、自宅で気軽にできる人気の筋トレを紹介します。
50代男性の筋トレベスト1『プッシュアップ』
腕立て伏せをするだけでも、上半身の筋肉の半分は鍛えられます。
男性で外見を変えたい人におすすめな筋トレは、肩の三角筋と胸の大胸筋です。
これらの部位を鍛えることで逆三角形の体型が出来ます。
Tシャツやタンクトップを着用した時に注がれる視線は、最高に気持ちが良いです。
山本義徳筋トレ大学さんの動画です。
ベンチプレスを使わないで自宅で大胸筋に負荷をかけたプッシュアップを紹介しています。
プッシュアップのやり方
1.両手を肩のラインで床に付きうつぶせの格好になります。
普通、幅は肩幅の1.5倍くらいですが、大胸筋に負荷をかけた場合は2倍の幅を取ります。
2.両足をそろえて真っすぐに伸ばします。足はつま先立ちします。
肩からつま先の部分が一直線になるようにします。
3.体をゆっくりと下げていきます。腕を伸ばす時は真っ直ぐ伸ばし切ります。
※両手は外へ45度開いて、手首の負担を減らします。
4.8~12回×3セット慣れたら15回×3セット
効果のある筋肉・胸(大胸筋)肩(三角筋)
メトロンブログさんの動画です。
メロン肩を作る(三角筋)を鍛えるためのショルダープッシュアップのやり方を説明しています。自宅で器具を使わず肩を鍛えることが出来る筋トレです。
ショルダープッシュアップのやり方
1.両手と両足を肩幅1.5倍に開いてうつぶせになります。つま先を立てて、お尻を高く上げて逆V字の形を作ります。
2.頭は中に入れて、頭と腕が並ぶようにする。
3.頭が床に着くギリギリまで下げる。
基本的に動作はゆっくり。
早く動作をすると反動で上げたり下げてしまうので、三角筋を鍛える効果が半減するからです。
4.8~12回×3セット慣れてきたら15回×3セット
効果のある筋肉・肩(三角筋)
SPM KATOさんの動画です。
太く強靭な二の腕を作るための上腕三頭筋の筋トレです。
自宅にいながら手軽に上腕三頭筋を鍛えられます。
リバース・プッシュアップのやり方
1.最初にイスの背もたれを壁際に固定します。
※椅子が後ろにズレてケガをしないための予防
2.イスに浅く座り、イスの座面に手を置きそのままイスから前に身体をスライドさせ上体と床が垂直になるようにゆっくり腰を下げる。
※お尻をイスから離さないように、背中がイスにかすかに擦る位がちょうど良いです。
3.肘が90度に曲がるまで上体を下に沈め、肘を伸ばす元に戻るを繰り返す。
4。8~12回×3セット慣れてきたら15回×3セット
上腕後ろ側(上腕三頭筋)に効果があります。
50代男性の筋トレベスト2『スクワット』
人間の筋肉量の約60%は下半身に集中しています。
『老化は足腰から』のように下半身の筋肉は、加齢や運動不足で衰えやすいです。
ザ・きんにくTVのなかやまきんさんの動画です。
この動画は初心者に特におすすめな動画です。とても丁寧に動作が説明されています。
スクワットのやり方
1.足の幅は約肩幅の1.5倍が目安です。つま先はちょっと外側に開く。
腕は胸に当てておく。前に伸ばしてもOK。
2.膝を曲げて屈伸運動をするのですがこの時、膝はつま先の方向に曲げる。
動作の間は常にかかとに体重をのせ、かかとで床をけるようにする。
※胸を張って体を真っすぐに保つ事が重要。
呼吸は体を下げるときに吸って、上げる時に吐きます。
お尻に効果のあるワイドスクワットのやり方
1.足幅を通常スクワットよりも広げて、つま先も外側に広げる。
2.スクワットと同じように腰を曲げて屈伸運動をする。
かかとに体重をのせる事を忘れないで、身体を上げるときにお尻を意識します。
内腿に効果のあるナロースクワットのやり方
1.バスタオルを用意して小さく折りたたみ膝に挟む。
両膝を寄せるように力を入れる。
2.そのまま真っすぐにスクワットをしていく。両膝は常に内側に向ける。
3.回数は8~15回を3セット、スローペースで行う。
効果のある筋肉 太腿(大腿四頭筋)お尻(大臀筋)内もも(内転筋群)
50代男性の筋トレベスト3『クランチ』
クランチは主に体幹・腹筋を鍛える効果があります。
お腹の周りの贅肉が気になる特に中高年は、クランチで腹筋を鍛えるとお腹周りがすっきりします。
GronG グロングさんの動画です。
クランチのやり方
1.あお向けに寝て、太腿が床から直角になるように上げて足を閉じる。
2.頭の後ろで手を組み、腹筋を意識しながら、息を吐きながら背中を丸める意識で上体を起こす。
※反動をつけずにゆっくり丁寧に動作を繰り返す。
3.回数は15回×3セット。
効果のある筋肉はお腹(腹直筋)。
50代男性が筋トレを続け人生が変わった体験談

太り過ぎを娘に笑われてジムに入会
私の働くジムの男性Aさんも筋トレで人生が変わった一人です。
彼は50代のエンジニアで当時178㎝体重が100㎏ありました。
仕事が終わり、自宅に帰って奥さんとワインを飲みながら食事をして、夜はチップスを食べながらサッカーを観戦するのが唯一の趣味でした。
ある日、Aさんの娘さんがリビングのソファーに寝転んでサッカー観戦をしているAさんの動画を撮理ました。
『ママ見て!パパ太りすぎだよね!』と撮った動画を見て笑う奥さんと娘を見て少し腹が立ったそうです。
後で娘さんに撮った動画を見せてもらって、愕然としたそうです。
『この豚みたいに太った醜い姿はなんだ?!本当に自分なのか?』と本当に天地がひっくり返るほどの衝撃でした。
Aさんは本気で痩せようと決意、私の働くジムに入会しました。
『とにかく痩せて、筋肉をつけてかっこ良くなりたい。』決意をお持ちでした。
ジムの男性専属トレーナーによるプランをAさんは、忠実に食事メニューや運動プログラムを実行しました。
Aさんが実践したトレーニングと食事内容
最初、ジムには2回から通い始めました。
まず会社の通勤は車を使わず、自転車で片道12㎞を毎日往復。
1回目のメニューは胸・肩・背中・体幹。中2日筋肉の回復期を入れて、2回目のメニューは下半身・足・お尻・お腹で、最初は無理をせずに体重を落とすことから始めました。
食事は奥さんの協力で、良質なタンパク質と緑黄色野菜を中心に取るように変え、大好きなチップスもやめました。
また、筋トレをするときは基本的に禁酒。
大好きな赤ワインは週末のみになりました。
結果的にAさんは、1年で21Kgの減量に成功しました!
筋トレで痩せてAさんの人生は劇的に変わる
Aさんは以下の嬉しい変化を感じています。
1.職場の同僚の自分を見る目が違う。
2.身体の調子が良くなり疲れなくなる。
3.奥さんや娘さんが優しくなり、近所の人にAさんの自慢話をする。
4.週末に奥さんと一緒に趣味の山登りを楽しみ、奥さんとは前より良好な仲になった。
5.体型を変わった自分の姿を鏡で見ると嬉しい。前向きな気持ちになる。
(ヨーロッパ人らしい反応です)
現在もAさんは、筋肉を肥大するためのトレーニングを中心にジムを週3回通っています。
30代の若者と変わらない美しい身体に変化しています。
Aさんのように50代の男性は筋トレすることで人生を変えることができます。
自宅でやれることから筋トレをぜひ始めてください。